かゆいところに手が届く『萌え絵の教科書』
三才ブックス様から献本いただきました。ありがとうございます。
萌え絵の教科書 (三才ムック vol.385)posted with amazlet at 11.06.02
以下Amazonから目次抜粋。
目次
- 01 完成までの手順を確認しよう
- 02 ラフの描き方&構図の決め方
- 03 線画上達のためのテクニック
- 04 かわいい顔を描くためには?
- 05 レイヤー分けのコツと色の選び方
- 06 肌と髪を効率よく塗るには?
- 07 布地のシワと陰影を攻略する
- 08 制服で学ぶ衣服の描き方
- 09 オリジナルキャラをデザインする!
- 10 キャラ絵のための背景入門
- 11 光の表現を利用する
- 12 気になるところを重点解説!
- 同人誌表紙絵ギャラリー
本書はゲームラボで連載されていたrefeia氏による「萌える!CG教室」に加筆・修正を加えて再構成されたものです。
ちなみに内容紹介には次のようにあります。
かわいく見せるための目鼻のバランスは?
リボンやフリルをカンタンに描くには?
キャラクターが映える色の選び方は?
自然に見える影の付け方は?
ライトノベルのイラストや美少女ゲームの原画・キャラクターデザインで活躍するイラストレーター・refeiaが、CGイラストの描き方を基礎から伝授!
イラスト上達のための考え方から素早く綺麗に仕上げるための裏技まで、著者が編み出してきた「萌える絵を描くためのルール」を、12点の豊富なカラーイラストでわかりやすく解説する。
はい、全て本書の中で解説されてます。しかも何故そういう構図なのか、何故かわいく見えるのかという疑問に、感覚とかではなく論理的に答えてくれています。
Twitterでも書きましたが一言でいえばかゆいところに手が届く技法書ではないかな、と。
こんな人にオススメ
かゆいところに手が届くといっても本書は全くのCGイラスト初心者にはあまりオススメできません。
なぜなら全身や顔を可愛く描くためのバランスについての指南はあるものの、人体の詳細な描き方やデッサンの話といった部分には触れられてないからです。
どちらかというと人物はそこそこ描けるようになったけど、ここから可愛く魅せるにはどうすればいいか悩んでいる人、
萌えキャラを引き立たせる配色に悩んでいる人、あるいは魅力的なオリジナルキャラ作りに悩んでいる人……などなどそういった方には文句なくオススメです。
言葉で説明されていて分かりやすい
上手い人だったら無意識に処理してしまうような部分でも丁寧に解説してくれています。
たとえばネット上ではCG・イラスト講座などで検索すると山のように講座がありますし、pixivでも講座のタグを見ていけば自分にあった絵の描き方が見つかると思いますが、その中で解説が抽象的だったりするものも多く困った人もいるのではないでしょうか。
塗り方が知りたかったのに「この辺はなんとなくな感じで塗ります」という解説があったり。これは解説する人が何枚も絵を描いてるうちに自然に会得したものなのでそのような解説になってしまうと思うのですが、そこをもっとちゃんと教えて欲しい! と思った人には本書を手に取って頂きたいです。
体のどの部分に影を置くべきか? 布地のシワはどう塗るべきか? 複雑なプリーツスカートって、フリルってどう描けば?
決して感覚で〜とかなんとなくで〜とかではなく、一つ一つ具体的な手法というかルールが掲載されています。これはありがたい。
本書ではトラブルシューティングという言葉が使われていましたが、まさにそんな感じの技法書だと思います。
萌えって何? というとまた話が難しくなってきますが、キャラクターをかわいく魅せるための要点を筆者の経験を通して得た知識と理論に基づいて解説する。上手くなるには反復と自らの感性を研いでいくしかないけども、その上でのルールは教えるから役立ててねという感じ。
多少値が張るので手を出しにくいかとは思いますが、値段分の価値はあると思います。欲を言えばもうちょっとページ数が欲しかったかも。
描いてみた
で、この本に描かれている、あることを実践して描いてみました。はい、これがやりたかっただけです。
分かりやすいように実践前と実践後の絵を置いてみます。
【Before】
【After】
多少人に見せられる絵になったかもしれない!!!
では本書の何を実践したかというと、それはあとがきの部分です。引用します。
絵を描ける人は、なぜ描けるようになったのだと思いますか?
その理由はひとつだけ。描けるようになるまで止めなかったのです。
ならば、真剣に「絵を描けるようになりたい!」と思ったとき、
最初にすべきことはなんでしょう? デッサンでもなく、パースでもない。
止めない方法を考えるのです。
上手く描けないうちは辛いです、というか自分は今もそうです。でも趣味で描く絵にそれほどまで苦しむ必要はないはず。
楽しく、コツを覚えて毎日少しずつでいいから描き続ける。大事なのはやはり続けること。
続けていれば必ず上手くなる……かどうかは自分を信じるしかありませんが、そのお供に『萌え絵の教科書』があれば必ず一助になってくれると思います。
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