初めて湯気規制とパンチラ規制されたTVアニメは何か


女の子の入浴シーンやパンチラが好きかー!! 僕は好きです。
前回のエントリでアニメの様々な「初めて」を調べていたら、ふと新たな疑問が湧きました。
「そういえば初めて湯気規制が行われたアニメってなんだろう?」
年々萌えアニメは増えているような印象があり、それに伴いサービスシーンも増加している気がします。
アニメNewtypeチャンネルではアニメのお風呂・温泉が出てくる回だけをまとめた特集ページも作られました。

 アニメNewtypeチャンネル:YUKEMURIGirls ドキドキ!温泉・お風呂特集 *1
しかしサービスシーンにつきものなのが規制。
 【アニメ】各テレビ局のお色気規制まとめ - NAVER まとめ
最近ではもう違和感を覚えなくなってきている人が多い深夜アニメのお色気規制ですが、昔はなかったはずです。ではいつ頃から始まり定着したのか。気になって夜も眠れなくなったので調べてみることにしました。

何故規制が行われるのか

そもそも何故規制されるのか。まず青少年の健全な育成のために云々といった名目が大きいと思います。倫理的な問題です。
例えばAT-Xなどは特定の番組に対して「ペアレンタルロック」と呼ばれる視聴年齢制限をかけることができますが、逆に地上波アニメは多少時間帯が遅くても万人が見れてしまいます。
 AT-Xが視聴年齢制限(ペアレンタルロック)を導入
個人的にはまぁそれくらい見ても悪影響なんて出ない気もしますが、見たくない人見せたくない人はいるので配慮は必要になってきますし、また放送局の倫理規定に抵触しないように、という意味でも対応せざるをえないのでしょう。
これは放送局ではなく動画配信サイトGyaOの場合ですが、実際に倫理規定に引っかかったアニメに配信中止という判断が下されています。
 ねとらぼ:“寸止め”アニメ「かのこん」、GyaOで配信中止 「倫理規定を超えた」 - ITmedia News
また仮に規定に沿って制作されていても、社会情勢を鑑みて放送中止に追い込まれてしまったアニメもありますし、
 「こどものじかん」は放送されるのかどうかKBS京都に電話してみた - GIGAZINE
あるいは放送終了間際になって、相応しくない時間帯に放送していたことが問題になったアニメもあります。
 放送局への回答のお願い 「アニメ らいむいろ戦奇譚」について再度のお尋ね/青少年委員会/BPO
 【U局アニメ興亡史】第2部第36回 サンテレビ『らいむいろ戦奇譚』問題 - 遊撃隊出先機関 〜深夜アニメに向けて出撃!!〜
これらは行き過ぎにしても、最悪のケースを想定して備えるためにある程度の自主規制は必要になってくるのでしょう。
最近ではこういった規制のあるアニメのほうが多いと思いますが、それでも目にしてしまう人はいるわけで、BPOにはそんな人の声が載っています。

アニメ番組。続編のようだが、相変わらずエログロで見るに耐えない。女子高生のパンティーを見せたり、未成年のキャラクターをアダルトビデオのように描いている。このような低俗なアニメは放送するべきではない。

――2008年1月に視聴者から寄せられた意見/BPO

BPOの過去の意見を漁ればこういった意見はわんさと出てきます。いくら自主規制してもこのような意見を持つ人がいなくなるわけではないですが、それでも規制は今後も続いていくでしょう。


次に商業的な問題です。一部のアニメ作品で大ヒットが出る一方、セールス的に苦戦する作品も勿論あり、DVD/BDの売り上げは二極化しています。
そこで少しでも売り上げを伸ばそうと放送版ではHな表現を抑え、DVD/BD版では解除するといった差別化を図り、それをセールスポイントにするアニメが出てきました。

 DVD 『妄想全開バージョン』 追加情報! - そらのおとしものf
ここ最近放送されたアニメの風呂シーンや女の子キャラクターの全裸、あるいは下着があらわになるシーンでは、そういう目的で施されている自主規制が多いと思います。
 DVDで湯気すっきり!? TVアニメ『咲-Saki-』DVDリリース開始! - 電撃オンライン
 kazuakume.com DVDで『乳首が見えるバージョン』 …ポルノ業界と化したアニメ業界
そんな中で最近個人的に印象に残ってるのは『聖痕のクェイサー』『プリンセスラバー!』『百花繚乱サムライガールズ』『ヨスガノソラ』あたりでしょうか。


まず『聖痕のクェイサー』。原作からして授乳シーンがあるので、これをアニメにするって一体どうやるんだ? と思っていたら、なんとHなシーンでは殆ど背景のカットに切り替わるという有様でした。

ハラショー……。ちょうど放送事故の時に「しばらくお待ち下さい」のメッセージが映し出される感じ。
 「聖痕のクェイサー」第1話はエロシーンがカットされまくり :にゅーあきばどっとこむ
TVアニメの限界に挑む、2010年最大の話題作!」なんて言ってたのに別の意味で話題になっちゃったなぁと当時は思ったもので、脚本の上江洲誠氏もTwitterで「ここまで修正されていたとは……」とつぶやくほどでした。
その後規制が解除された有料のディレクターズカット版が動画配信サイトで販売。納得いかない気がしつつも、これはこれで新しいビジネスモデルになったのでした。
 聖痕のクェイサー ディレクターズカット版を視聴してみた: ひでのブログ
なお今年4月から第2期の放送が始まりましたが、今回もディレクターズカット版が用意されております。


プリンセスラバー!』では第1話からあからさまにパンツやスカートの中を見せまい、と黒塗りされたかのようなぼかしが入り話題になります。
 「プリンセスラバー!」第1話はパンツに規制入りまくり :にゅーあきばどっとこむ
また温泉のシーンでは湯気による規制が入ります。まぁこれは当たり前になっていたのでいいのですが、問題はその前でした。

 プリンセスラバー! 第6話 温泉のシーンで女性の胸や局部に明らかに不自然な放送規制が入る:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
湯気ですらない……。今までならもうちょっとうまくアングルで隠す手法が使われてたと思いますが、もうこれは露骨に完全版はDVDで、な! というメッセージに感じました。
 プリンセスラバーに見る、隠されている事自体を楽しむという方法 DAIさん帝国


斬新さでは『百花繚乱サムライガールズ』も話題になりました。
このアニメ、女の子の全裸シーンが出てくると墨が画面に被さります。

 アニメ『百花繚乱サムライガールズ』、先行放送での規制の仕方が斬新だったらしい
何故墨……? いや作風に合わせただけかもしれませんが、こういった規制の方法は思いもつかなかったので逆に感心してしまいました。というか普通にかっこ良くないか。勿論DVD/BDではこの墨は消えていますが、こうなってくると地上波放送版のほうが貴重ではないか、とさえ思います。まぁ見えるほうが結局嬉しいですが。
 Hide Beat Blog - 【百花繚乱 サムライガールズ】BD/DVD第1巻では墨が取れておっぱい祭り!
 海兄 : 百花繚乱サムライガールズ第1話の墨について海外の反応


一番最近規制の話題で持ちきりだったのは『ヨスガノソラ』でしょう。
元がエロゲーということもあり、登場キャラクターがところ構わずガンガン性交渉を行います。
で、問題はやはり隠し方。

 『ヨスガノソラ』MXでは放送事故みたいな規制が入ったようです:萌えオタニュース速報
もはや浪漫もクソもない……比較的規制がゆるいと思われたTOKYO MX*2でもこの仕打ち。とまぁこんな感じでとりあえず隠しときゃいいんだろ! 的なやっつけ規制が各話でちらほら見られました。ここまで来ると黎明期の湯気規制が懐かしく思えてくるほどです。
思えば遠くへ来たもんだ……。
 「ヨスガノソラ」最終回も地上波版は修正が多めでした :にゅーあきばどっとこむ

最初に湯気規制が行われた地上波アニメ

では湯気規制が最初に行われたアニメは何だったのか、調べてみることにしました。
とりあえず適当に湯気+アニメで検索してみるとそのものズバリの説明がいきなり出てきました。

アニメ「GIRLSブラボー」テレビ放映版の事。やたらと入浴シーンが登場するアニメであったが、自主規制により湯気で裸を隠して放送された。画面の殆どを湯気が覆い何が起きているかも判らない惨状だった為、湯気アニメの別名で呼ばれた。

――おたく語録 〜オタク用語の基礎知識〜:湯気アニメ

他にも似たような説明がないか調べてみました。

GIRLSブラボー first season」のフジテレビ放送版では、全編湯気まみれで放送されるという惨事があった

――湯気 -アニヲタWiki-

どうも『GIRLSブラボー』で大きな話題になったらしい、ということでWikipediaにも記述がないか見てみるとちゃんと言及されていました。

当初ハーレムアニメかつ萌えアニメというお色気満載の作品となるはずであったが、その頃にこれまで比較的緩やかな方針であったフジテレビ側が突如、表現規制を厳格化した影響で、過剰なまでの修正によりそれらはほぼカットされていた。なお、DVDのCMでは「DVDで湯気スッキリ」、ゲーム版のCMでは「ボタン連打で湯気スッキリ」などと謳われていた。
この作品がDVD化されるに当たっては、「笑劇映像大幅追加版」と題してテレビ放送時に施された修正を戻している。

――GIRLSブラボー - Wikipedia

しかもテレビ放送版とDVD版で明確な差がある。なおそのDVDのCMはニコニコ動画で見られます。

確かに「DVDで湯気スッキリ」と言ってる……ちなみにゲーム『GIRLSブラボー Romance15's』の限定版であるDXパックには特典でドラマCD「GIRLSブラボー 湯気なし銭湯編」と、「セクシー手ぬぐい」など特製お風呂3点セットが同梱されたそうです。ドラマCDで湯気なしって言われても見えないよ!! もはや自虐の粋ではないだろうか。
まだまだあります。

かつて、フジテレビは番組の表現規制が緩かったことから、このアニメもかなりのお色気物になることが期待された。しかし、放映直前にフジテレビの規制が改正されてテレビ東京並みに強化されてしまい、かといって放映は目前に迫っているわけでとても修正が間に合うような状況ではなかった。
そこで、このアニメのお色気シーンの多くがお風呂のシーンで占められていることから、湯気を濃くすれば簡単にそれらを隠せるとばかりにそれを実行したところ、ほとんど放送事故あるいは納期遅れ演出と変わらない状況になってしまった。視聴者はそのいきすぎたやり方に驚愕した。
冬場の草津温泉でさえ超えられないであろうその湯気の量から、スチームガール(スチームボーイのもじり)、この見にくくて白い世界(この醜くも美しい世界のもじり)、あるいは湯気アニメ、靄アニメと呼ばれる始末であった。

――GIRLSブラボー first season ‐ 通信用語の基礎知識

「スチームガール」「この見にくくて白い世界」という言い回しはちょっと笑ってしまいました。そんなにひどかったのかと。今では当たり前になっている湯気規制も、当時は到底許容できない表現として受け止められていたように思えます。
TVアニメ資料館の当時の掲示板でもフジテレビの規制について意見が交換されていました。
 【TVアニメ資料館】掲示板 GIRLSブラボー1話
スレッド内では監督のあおきえい氏が自サイトでフジの規制について内情を吐露していると指摘されていましたが、過去ログは残されていなかったので以下のブログから引用。

なんかネットで話題になったので(そりゃなるわな‥)、 現状のフジテレビの考査基準を参考までに。


・裸NG。局部を隠せばOKというレベルではなく、体のラインが見えたらNG。
・下着NG。(でも#2の最後で出てきた着替えはなぜかOKでした。 アンダースコート、という解釈らしい)
・血の色NG。量を減らすか、色を変える。

――GIRLSブラボーの湯気と血: 異常感想注意報

監督直々に説明していることからも、非常に多くの反響というか苦情が寄せられたのではないかと推測できます。
ではその規制はどれくらいひどかったのか。


様々なテレビの放送事故などを集めているアニメ 放送事故・ハプニングでは比較画像が掲載されています。

一番酷い例を持ってきたのかもしれませんが、それにしてもこれは……話題になるのも分かります。
またアニメ感想ブログの燃えろ!!Amazonでも「白いです。湯気アニメです。」と画像つきの感想が見られます。すぐ上にあるU局放送で比較的規制の緩かった『DearS』の感想とはまさに対照的。

白いです……。
確かにこれでは読売新聞の(福)さんもただ、ただ、ただ、あの湯気は一体なんですか!? あそこまで湯気で裸を隠さなくちゃ放送できないのなら、むしろ放送しない方が良いぐらいでは? とお怒りになるはず。


そんな『GIRLSブラボー』も現在ではバンダイチャンネルで1話が無料配信中。無修正バージョンなので当時フジでは見られなかった部分も見られます。いい時代になりました。
 「GIRLSブラボー first season」のアニメ・動画視聴ページ | バンダイチャンネル
ちなみに『GIRLSブラボー』は2期『GIRLSブラボー Second season』が制作されたのですが、放送局が比較的規制の緩いWOWOWだったので、鬱憤を晴らすかのようにOPから本編までフルスロットルで色々と出しまくりという状況でした。

 乳首が見えるアニメ/か行/か/Girlsブラボー Secondseason - 乳首が見えるデータベース
これを受けてDVDはR-15に指定され、またそのせいなのかは不明ですがバンダイチャンネルでは現在もSecond seasonが未配信という状況になっています。


このように見ていくと最初に湯気規制が行われたのは2004年の『GIRLSブラボー』ではないかと思うのですが、はたして本当にこのアニメが最初なんだろうか?
GIRLSブラボー』で多くの反響が寄せられたのは前例がなかったことの裏返しという気もしますが、本当にそれ以前にも規制がなかったかと思い、もうちょっと調べてみました。
すると同じくアニメ 放送事故・ハプニングの『R.O.D-THE TV-』の項目で以下のような記述がありました。

激しい湯気と言うとガールズブラボーが比較的有名ですが、実はR.O.D-THE TV-の方が先です。
2003年12月25日放送した第9話「闇の奥」の後半でサブキャラ(女)が全裸で泳ぐシーンがあり画面のほとんどが真っ白になっていました。(DVD版では湯気がないので規制だという事が確認できます。)

自分が見たのはDVD版なのでそれほど湯気が濃くなかった記憶がありますが、フジでの放送版は規制がかかっていたらしい。
そこで当時感想を書かれていた放蕩オペラハウスの過去ログを見てみると先行放送版とフジテレビ版が比較*3されていました。

確かにこれは白い(一部モザイクで加工)……というか明らかに身体のラインが見えない。比較によると先行放送では湯気皆無でフジ版は逆に真っ白すぎた模様。そこでDVD版ではちょうど間を取って適度な湯気になったそうです。
この点についてはアダルトじゃないけど乳首が見えるアニメデータベースでも以下のような指摘があります。

9話の補足で、湯気が一番少ないのはAT-X版。
あまりにも少なくプールで泳いでいるように見えるのでDVD版では温泉に見えるように少し湯気を足した。

ちなみに2008年にはTOKYO MXで再放送されましたが、その際はバッチリ見えるバージョンでした。MX大勝利!!
 夕方再放送の「R.O.D -THE TV-」が「乳首券」を発動していた件について - [ 悠 々 日 記 ]


R.O.D -THE TV-』は2003年放送。折角なのであと1年遡ってみます。
2002年にフジテレビで放送された深夜アニメは『超重神グラヴィオン』『ラーゼフォン』『キディ・グレイド』『Kanon東映版)』『藍より青し』『灰羽連盟』『ハングリーハート』の7本。
 フジテレビ平日深夜アニメ枠 - Wikipedia
このうち『キディ・グレイド』と『藍より青し』では2chに以下のような書き込みがあります。

リュミは結局あの湯気だらけでほとんど見えなかった
シャワーシーンでハダーカ終わりなの?
ふざけるなよ、スタッフ!!ヽ(`Д´)ノ

――キディ・グレイド 8

DVDでは先週の風呂シーンの湯気が修正されるってさ。

――藍より青し 11

キディ・グレイド』に関しては自分も関西テレビで見てましたがそれほど酷かった記憶はないですし、そもそもフジテレビ版のソースを所持していないので検証のしようがありません。
藍より青し』については公式サイトにキャプチャが貼られてるのでそれを見てみることにします。

 「藍より青し」 あらすじ第7話 幻妖〜げんよう〜
 「藍より青し」 あらすじ第17話 漣〜さざなみ〜
うーん、確かに湯気は濃い……でも『GIRLSブラボー』と『R.O.D -THE TV-』を見た後だと身体のラインも見えるし常識的範囲の湯気ではないか、と思ってしまいます*4


以上から見て最初に湯気規制が行われたのは『R.O.D -THE TV-』ではないかと思えてきましたが、他の放送局はどうだったか。
そもそもフジが最初に湯気規制を行った局なのか? しつこいかもしれませんが、もうちょっとだけ検証してみました。
まず規制で真っ先に思い浮かぶのはテレビ東京です。2003年以前のアニメでそういう規制が行われてそうなアニメがなかったか? 記憶を手繰るとありました。
ラブひな』です。
2000年4月19日から9月27日までテレビ東京系列で放送。深夜アニメ枠ではなく夜の22時台に放送されたのが印象的でした。
元々温泉旅館だったという女子寮が舞台なので温泉に入るシーンは豊富なはず。ということでOPを見返してみました。

あれ? テレ東で、しかも深夜アニメよりも早い22時台なのにそんなに厳しくない感じがあります。
当時は既にテレ東のパンチラ規制が有名だったように記憶していますが、まだ湯気までは手が回ってなかったようです。
これについて調べてみると以下のような記述がありました。

そして最も致命的な事として、"温泉入浴シーン" が肝心要であったにも関わらず、テレビ東京の方針のため "常にタオルを巻いたまま入浴" という "大問題" があり、一部の原作ファンに不評を買った(何のための深夜放送か!)。

――ラブひな (アニメ) ‐ 通信用語の基礎知識

なるほど、湯気を用いた規制ではなくキャラクターがタオルを巻くことで対応したと。本当かどうかは確認できませんが、何となく納得してしまう説明ではあります。
ではその後はどうだったのか?
GIRLSブラボー』(2004年7月6日〜9月27日放送)とほぼ同時期に放送された『月詠 -MOON PHASE-』(2004年10月4日〜2005年3月28日放送)に入浴シーンがあるのでそれを見てみます。

!! 全然湯気で隠してない!!! 感想ブログでも「月詠は、ギリギリの入浴シーン」と評されています。
 ∞ろまろぐ : No.2 今期のテレ東は一味チガウ?
テレ東も入浴シーンに対しては長らく湯気規制は行ってなかったように思えます。
これ以上は遡れないのでひとまずはここで打ち止めにします。

ただ、2004年に放映された『GILRSブラボー first season』の時は、その規制の在り方で物議を醸したのです。
それまでのフジテレビ深夜枠といえば、関東地区の地上波としては規制基準が比較的緩いと見られていました。
前項で挙げた『GUNSLINGER GIRL.』あたりは、物語の設定や展開そのものが人権や倫理に絡むデリケートなものであり、フジテレビ以外のキー局ではまず放映できなかったでしょう。
過激な性表現を謳い文句としている『GIRLSブラボー first season』の放映局としてフジテレビが挙がったのも、そうした認識がはたらいてのものでした。
ところが蓋を開けてみれば、過去の『藍より青し』『フルメタル・パニック?ふもっふ』等では当たり前のように認められた表現にNGがかかっていたのです。


表現修正の手法は、主に映像の修正・場面削除・話数カットがありますが、特に話題となったのは映像の修正に関するものです。
映像として性表現の激しいシーンに、ボカシ的な白色の効果を追加するというもので、名目上は“入浴シーンの湯気”という使い方が多かったようです。
このため、当時は「湯気アニメ」という呼称が番組の代名詞となり、また当時劇場公開されていたアニメ映画『STEAMBOY』(スチーム・ボーイ)をもじって“スチームガール”などとも呼ばれていました。

――フジテレビ深夜アニメにおける迷走劇のデータ集

つまり『GIRLSブラボー』で起こった騒動というのは、元々お色気を期待して全裸待機していたのに、
いざ放送が始まると作品の存在そのものを否定するかのように視聴者を裏切る規制を行った結果だったと言えるのでしょう。
騒動の比でいえば圧倒的に『GIRLSブラボー』に軍配が上がりますが、時系列で見ると最初に規制されたのは『R.O.D -THE TV-』ではないか、ということでこのエントリでは2003年放送の『R.O.D -THE TV-』が、最初に湯気規制が行われたアニメとしたいと思います。
もしこれより以前に身体のラインが全く見えないくらい大量に湯気をかぶせたアニメ、加えて放送版とパッケージ版で明確に差別化したアニメがありましたらご一報下さい。

最初に湯気規制が行われたCSアニメ

以上で結論が出ました、おしまい。で結ぼうと思っていたら別の事実が浮かんできました。
 2chアニメ用語辞典のちょっとしたまとめページ - や行

 この”湯気”は、「ぽぽたん」(2003:BS-i)がCS系放送局のキッズステーションで放送される際、
BS-iでの放送では問題なかった入浴シーン時のキャラの乳房等の描写が、キッズステーションの規制に
引っかかり、コレを隠すために付加された事で(悪い意味で)注目されるようになり、「GIRLSブラボー
(2004:フジテレビ)での入浴シーンでキャラの裸を相当量の湯気で覆い、画面が湯気だらけで
何をしているのかも判らなくなってしまった事態を引き起こした事で一気に有名となった。

ぽぽたん』のキッズステーションでの放送は2004年4月17日〜7月3日。『R.O.D -THE TV-』より後とはいえ話題になった『GIRLSブラボー』より前に、フジ以外で湯気規制が行われていたことになります。
当時の感想ブログで以下のような感想が見られます。

キッズステーション組なので既に負け組。木村監督なのでどうも毎回(お風呂)入浴シーンがあるようだが。
キッズだと立ち込めまくる湯気とあからさまなボカシで最悪の放送状況。
そんなに乳首は悪か?子供の頃普通にそういったもの見て育った俺なんかは犯罪者か?
最初から放送しない方が良かったのか。それでも放送すべきなのかは分らん。

――070-アーステイル-呼出し中: ぽぽたん 第2話「ともだち」キッズステーション版

2chぽぽたんスレでもキッズステーションで放送が始まってからの反応が伺えます。

259 :風の谷の名無しさん:04/04/18 04:08
速報!

キッズでは乳首にぼかしが
ある意味レアだけど…_| ̄|○


260 :風の谷の名無しさん:04/04/18 04:38
オリジナルにはボカシは無いのかやっぱり


261 :風の谷の名無しさん:04/04/18 08:50
風呂の湯気っぽく処理してたな・・・・今日もやるし


262 :風の谷の名無しさん:04/04/18 08:51
ぼかし入れると余計エロイな


263 :風の谷の名無しさん:04/04/18 09:11
キッズはちくび禁止なんですね。


264 :風の谷の名無しさん:04/04/18 12:19
>>263
キッズは乳首OKでつ。
あれはただの商法。


265 :風の谷の名無しさん:04/04/18 13:31
>>264
ヒドイ、そうだったのか
DVDを買えと…ちくしょう!

――ぽぽたん 6館目

それではどの程度の規制だったのか調べてみようと思いましたが、もう7年も前のアニメでしかもどれくらいひどかったか比較しているサイトとなるとほぼ皆無……。
と思いきや一箇所だけ比較されているサイトがありました。

 キャプチャしていて気になったこと小ネタ
画像が小さいのでわかりにくいかもしれませんが、確かにこれは湯気です。キャラクターがまるごと消えている。
しかしフジテレビのように誰でも見られる地上波ならともかく、深夜27時放送という深い時間で「何の宣伝も告知も無く、唐突に始まった感じ」というアニメに、CS放送でこのような規制を施すことははたして適切だったのか。
そう考えもしましたが、当時のキッズステーションのプレスリリースを漁ると、2004年5月末で総視聴世帯数が600万世帯突破との発表があります。
 キッズステーション 2004年5月末にて600万世帯突破。CS有料チャンネルとして、最速到達(PDF)
この世帯数を考えると、しかも「こども・アニメ専門チャンネル」であることを謳っているなら規制はやむを得ない措置だったのかもしれません*5


これ以前にCS放送で同じような規制が行われたか調べようと思いましたが資料がなく断念。
ということで地上波での規制は『R.O.D -THE TV-』が最初だったということは変わりませんが、CS放送ではキッズステーション版の『ぽぽたん』が初めてだったという結論で終わりたいと思います。

【おまけ】DVDで湯気が増えたアニメ

上で述べたように通常、放送版では規制をかけ、DVDでは解除する手法が今は当たり前になっています。
しかし何を思ったかDVDで湯気が増えてしまったアニメがあります。
まずは『まかでみ・WAっしょい!』。EDのお風呂シーンの湯気がDVD版では濃くなっています。何故。

 二次元空間 まかでみ・WAっしょい! DVDが無修正版じゃない……だと。
ただこれはEDだけの話で、本編で規制されていた部分はきちんと描かれています。


次はテレビ東京系で放送された『かなめも』。放送当時はテレ東ということもあり当然湯気規制がありましたが、多くの人はDVDで解除されるだろうと確信していました。
 カートゥン☆ワールド〜漫画の世界〜 ネコと湯気はDVDで消滅?銭湯でお風呂サービス♪アニメ「かなめも」第5話
ところが実際にDVDが発売されると落胆の声が上がります。一部のシーンで湯気が濃くなっていたのです。

 今日もやられやく 『かなめも』 DVD版の一部風呂シーンがTV版よりひどくなってる模様
この第5話、本放送時は本編の尺が足らず最後にダイジェスト映像が継ぎ足されていたのですが、原作者・石見翔子氏の日記の内容から、テレビで放送できないくらいのいかがわしい内容があってカットされたのだという憶測が流れました。
 「かなめも」5話のエロすぎお風呂がカットされて尺不足に! :にゅーあきばどっとこむ
なのでその分余計にDVDでの規制解除に期待が高まったのですが、結果はごらんの有様だよ的展開になってしまいました。
いや『かなめも』はそういう要素を期待する作品ではありませんが、やはりがっかりしてしまった人は多くいたようです。
湯気さんの仕事場はあくまでも地上波のアニメでなければならないのかもしれません。

最初にパンチラ規制が行われたアニメ

もうついでなので、初めてパンチラ表現に規制が入ったアニメについても調べたいと思います。
アニメ 放送事故・ハプニング: 勇者王ガオガイガー FINAL GGGに次のような記述があります。

テレビ東京がパンチラを規制し始めたのは、ポケモンのフラッシュによる騒動がきっかけでした。

え、そうなの!? 初めて知りました。
ポケモン騒動は1997年12月16日に発生。この件に関してはTVアニメ資料館の「ポケモン騒動を検証する」の項目が非常に詳しいのでこちらを参照で。
またWikipediaでも「ポケモンショック」の項目でまとまっています。
テレビ東京にも資料が残されていますので時間があればこちらも*6
 ポケットモンスター問題について


自分の記憶を掘り起こすと1995年放送の『新世紀エヴァンゲリオン』ではパンツが見られた覚えがあります。というか綾波の全裸もあった。じゃあやっぱりこの頃を境に変わったのか。
1998年4月8日、ポケモン事件を受けてNHK日本民間放送連盟からガイドラインが出されます。
 放送倫理/アニメーション等の映像手法について - NAB LOCAL
 シナリオえーだば創作術 だれでもできる脚本家 第165回 ポケモン事件でできたガイド・ライン
ここではいわゆる問題になったパカパカの乱用を自主規制するという内容でガイドラインが作られています。なのでパンチラをどうこうするとかいった話はありません。
翌日、つまり1998年4月9日にテレ東はより厳しい「アニメ番組等の映像効果に関する製作ガイドライン」を発表*7
これも映像効果に関するガイドラインなので、当然パンチラ云々の話は全くありません。しかし表には出ていないだけで、テレ東側がこれを機に性描写に関しても内部で厳しい倫理基準を設けた可能性は否定できません。
現に1999年7月12日に制定されたテレビ東京青少年向け番組の編成基準では「「暴力表現」や「性表現」など青少年に影響があると判断される内容を含む番組については社内のチェックシステムを活用しその対応を適切に行う。」とあります。
またWikipediaのフィギュア17の項目ではテレ東での表現規制に関してこう記述されています。

テレビ東京ポケモンショックによる騒動以降、外部からの批判を未然に防止するため、アニメにおける表現などについて極端に厳格な内部基準を設け、それに少しでも抵触するアニメは修正を行っている。これがいわゆる「テレビ東京の自主規制」である。

フィギュア17』においてこの自主規制に抵触するとされた部分はヒカルが生まれたシーンと入浴シーンである。これはどちらも裸の女性が出てくるという点だけで規制対象とされた。修正は不自然なカットやフレームアウト(画面の外に追い出してしまうこと)によって行われ、作品に若干の不自然さを残すことになった。

やはりポケモン事件を境に厳しくなった可能性が大きいようです。


テレ東のガイドラインが発表された頃に、あるアニメが始まります。『カウボーイビバップ』(1998年4月3日〜1998年6月26日放送)です。
このアニメもテレ東のガイドラインの影響をもろに受けてしまった(と思われる)不遇な作品でした。
Wikipediaには次のようにあります。

テレビ東京での放映は、放映枠が1クールしか確保できなかったため全26話中12話(#2、#3、#7 - 15、#18)+総集編の全13回となった他、暴力表現および性的表現が修正・カットされている。これは、製作開始時から放映までの間に青少年によるナイフを使用した暴力事件が起きたことや、ポケモンショックによってテレビ東京の規制が強まったためである。(中略)
テレビ東京版最終回である総集編「よせあつめブルース」は、これらの規制・カットに対する抗議をメインキャラクター達の独白という形で吐露したもの(通常の総集編とは異なり、物語自体には殆ど言及していない)で、エンディングは「THIS IS NOT END.YOU WILL SEE THE REAL "COWBOY BEBOP" SOMEDAY!」という挑発的なメッセージで締めくくられている。

――カウボーイビバップ - Wikipedia

リアルタイムで見ていた記憶はありますが、それほどの酷い規制だったかはあまり覚えていません。
ではどれくらい酷かったのか。それについてもTVアニメ資料館でまとめられていました。
 『カウボーイビバップ』がテレビ東京で放映されたことの不運
これを見ると当時問題になっていた少年による凶悪犯罪もあり、非常に厳しい規制がかけられていたことが伺えます。
で、注目ポイントはセクシー描写がNGになっているところ。

滅茶苦茶規制入ってます……というかかなり強引で今に通じる規制のやりかたかもしれません。徐々に確信に近づいてきた感じがします。
時期的に見てポケモン事件でガイドラインが強化されたこの頃に、初めてパンチラ規制がかけられたアニメがあるのではないだろうか。
そう思いつつテレ東規制とは - はてなキーワードを眺めていたらパンツNGについてこう記述されていました。

ブルーシード」の第一話がその代表例。パンツを隠すためにビデオ編集まで行ったという…。この例は「でんのうせんしポリゴン」事件以前だが、パンツNGチェックは現在も確実に行われている。

え、ポケモン事件以前にパンチラ規制やってたの!? とするとポケモン事件を境にパンチラが規制され始めたという説が崩れます。
当方『ブルーシード』は殆ど見た記憶がなかったので全く気づきませんでした。ということで調べてみるとちゃんとまとめられたページがありました。インターネット偉大すぎる。
 テレビ東京の倫理規制とは?

むむむ、あからさまにパンツを見せないようにしています。ネット上を検索してみても、どうも『ブルーシード』がパンチラ規制の先駆けらしい。
ブルーシード』は1994年10月5日〜1995年3月29日まで放送。ではその前後に放送されたアニメでパンチラはなかったか。
ありました。1995年1月9日から12月25日まで放送された『鬼神童子ZENKI』です。
原作からしてちょっとHでしたが、Wikipediaでは「また作品の特徴の一つであったパンチラなどのお色気描写や人体切断などの残虐描写は極力控えられている。」とあります。
ところがアニメでもばっちりパンチラシーンは残されていました。しかも更衣室の着替えシーンまである。

鬼神童子ZENKIにパンツを求めるなら・・・
第02話 「邪神カルマ 三邪導師見参!」
第03話 「小明危うし シャッターチャンスに御用心!」
第04話「欲望の壺 式神町黄金計画」
の3つを抑えておけばOKです。

――ぱんつぁ〜BBS

どうも94〜95年あたりは基準がぶれていたようです。そのぶれが担当したプロデューサーの裁量によるものだったかどうかはテレ東の人間でもないので分かりません。
しかしポケモン事件を機に方向性が固まった、そんな感じに受け取れました。
ということで初めてパンチラ規制が行われたアニメは『ブルーシード』だったということで終わりたいと思います。
【おまけ】
ぱんつ in アニメ - BLUE SEED

その後の規制事情

90年代後半からテレ東の規制を契機に始まったこの手の規制はどんどん広がっていきます。

残念ながらこの流れは少なくとも地上波では止まらないでしょうし、規制がなかった頃のような表現はもう殆ど見られないと思います。
以前は『まほろまてぃっく』でもおっぱいが見えるなど、性表現に緩かったBS-i(現BS-TBS)も現在は地上波と変わらない基準になっています。
 まほろまてぃっく特別編 ただいま◆おかえり・前編: 異常感想注意報
帰ってきたまほろさんもこの通り。おかえりって言いたいけど規制と一緒にただいまはして欲しくなかった……。えっちなのは……いけないと思います……!!
しかしそれにしても最近の自主規制は露骨というか無粋というか、隠すにしてももうちょっと何とかならないかなぁと思ってしまう表現があることも事実。まぁお楽しみはDVDで、ということなのである程度は仕方ないのですが。
一つ一つ挙げていったらキリがないので具体的なタイトルは挙げませんが、例えば

とか、

(via 第2期「乃木坂春香の秘密」はいきなり温泉。またもMXで薄消し :にゅーあきばどっとこむ)
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(via まるで映画を見てるかのような気分『ストライクウィッチーズ2』6話感想まとめ:萌えオタニュース速報)
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(via Little Colors : 喰霊 -零- 第4話 「務大義 -つとめのたいぎ-」 感想)
とか、

(via MADの日々 ちょこッとSister 第05話)
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(via ギャラクシーエンジェる〜ん 第1話 「出撃!天使のスクランブる〜ん」 ふろむ かーねぎー)
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(via あそびにいくヨ! 6話 感想 おいら的ゲーム今昔別館)
とか、

(via 「百花繚乱」第10話はサービスシーンが多く墨汁規制も多め :にゅーあきばどっとこむ)
とか、

(via Hide Beat Blog - 【ヨスガノソラ】第6話・AT-XとMXエロシーンの規制比較【光渡し】)
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(via 『お兄ちゃんのことなんか(ry』第3話…水着にまで規制…だと!? 来週どうなるんだよ|やらおん!)
とか、

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とか。っていうか最後の『フリージング』はやっつけすぎるだろう……。
湯気ならまだしも不自然な光やマークが裸体を覆うと、はいはい続きはDVDDVD……みたいに慣れてきたとはいえげんなりすることもしばしば。なので隠すならもうちょっとエレガントに隠してほしいなぁと思ってしまうのでした。
 アニメのHなシーンを湯気や光で隠すのは、そろそろ止めにしましょう - さよならストレンジャー・ザン・パラダイス


そういう意味でいえば同じ「隠す」でも『ガン×ソード』とか『フルメタル・パニック? ふもっふ』とか『ミルキィホームズ』は面白かったなぁと思います。



(via おキヌちゃんの徒然日記 : フルメタル・パニック?ふもっふ 第9話 その2)

(via 水着!ポロリ!全裸!コーデリア!『探偵オペラ ミルキィホームズ』7話感想まとめ:萌えオタニュース速報)
いや、ミルキィホームズは無理があるか。
 藤堂志摩子のAngel Heart Club 『探偵オペラ ミルキィホームズ』第7話はエロ規制に湯気や光渡しが如何に不粋であるかを教えてくれた

まとめ

ここまでアニメにおける規制について見てきましたが、何も暗い話ばかりではありません。
パンツ描写に厳しいと思われたテレ東でも近年、徐々にですがパンツが見られるようになってきています。

(via 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」第9話にパンツが出てきて注目される :にゅーあきばどっとこむ)

(via テレ東と規制とパンチラと:Atelier lbs 〜lbsの工房〜)

 アニメニュース速報β : テレ東京『テガミバチ』、遂にパンチラ解禁と話題に
 『宇宙をかける少女』#1で、パンチラ規制のあるテレビ東京でパンチラシーンが :Syu's quiz blog


またパンツが見せられないならいっそパンツを描かない! といった規制を逆手にとった手法も見受けられます。


(via 今日もやられやく 完璧穿いてない上にぬるぬる動いていた第12話の宮永咲)

現在、テレビアニメのビジネスモデルはDVDの売り上げに依存しているので、制作側は必然的にDVDの購買意欲をかき立てる必要がある。そこで数ある作品の中に埋没しない方法として、あえてアニメのタブーを破ったりする。そうすることで視聴者の興味を引きつけておき、例えばテレビ放送時には湯けむりで隠されていた乳首がDVDでは見れる、といった付加価値をつけてDVDの売り上げにつなげようとしています。その風潮は必ずしも悪いことではないでしょう。毎週、何が起こるかわからないワクワク感は80年代のバラエティ番組にも近い。都条例など、今はアニメに対して厳しい世の中になってきています。しかし、制約された中で視聴者の予想を裏切ろうと頑張るクリエーターたちが健在なことは、アニメにとって大変心強いことです。あまりやり過ぎると規制が激しくなるのでほどほどに、とは思いますが(苦笑)。

――アニメライター・多根清史「猟奇殺人からセックスまで──視聴者を裏切り続けるアニメ」

まぁ規制でがんじがらめのアニメしかない、なんて状況は個人的にはあまり歓迎したくありません。
しかし規制の中からも新しい表現は生み出されている。そういうのを見るとまだ頑張れるんじゃないだろうか、まだ希望は持ってもいいんじゃないだろうか、と。そんな気がしました。


【参考エントリ】

*1:リニューアルに伴いページが削除されてたorz のではてブのページ参照。

*2:「MX大勝利」等でググって下さい。

*3:R.O.D -THE TV-』はフジテレビでの放送前にパーフェクト・チョイスで先行放送していた。

*4:ただ公式サイトのキャプがフジ放送版のものとも限らないですが。

*5:それならば何故放送しようとしたのかという疑問は募りますが。

*6:余談だがポケモン騒動でテレ東のお詫びの文章を書いたのは東不可止氏

*7:ガイドライン自体は2月3日の時点で既に完成していたらしい。