ふぁぼ死から生還したあるTwitterアカウントの顛末

ふぁぼ死とは何か


TwitterにはFavorites(お気に入り)という機能があります。
既に利用されている方には説明不要ですがこれは主にTwitter内で面白かった発言や名言、気になる発言等々を登録する機能で、こういったお気に入り登録する行為は利用者の間で「ふぁぼる」と呼ばれています。
以前は、自分が知る限りではそれほど頻繁に利用されていなかったように思いますが、誰がどの発言をふぁぼったか可視化するふぁぼったー等の収集サイトの登場により、Twitterユーザーの間で「ふぁぼる」という行為は加速していったように感じます。
しかしここ最近このふぁぼ数が多いユーザーの間でアカウントが壊れるという自体が続出しています。

ふぁぼ死とは、単刀直入に云ってしまえばふぁぼりまくってアカウントが壊れてしまうことを指します。
しかし原因がふぁぼりまくった事にあるかどうかに関しては公式から何もアナウンスが無いのではっきりしたことは判りません。ただやはりアカウントが壊れたと訴える人に共通する項目は今のところふぁぼ数が異常に多いということだけなので、ふぁぼ死したユーザーの間ではふぁぼりまくるとアカウントが死ぬ、という認識が共有されているのが現状です。


わかりやすい例を挙げます。

2009年8月時点でのデータですが、こちらにふぁぼ数の多いユーザーの一覧が掲載されています。
この時点で10万を超えるふぁぼ数の多い@katoyuu、@yamifuu、@maybowjingについては12月現在で既にふぁぼ死が確認されています。その他の上位陣に関しても@totte氏による以下のデータが参考になります。

これらの状況を鑑みるにふぁぼ数が10万〜11万を超えると危険水域という推論が導き出されます。
つまりふぁぼ死は一部のふぁぼ中毒に陥ったユーザーだけの問題ではなくお気に入り機能を頻繁に利用するTwitterユーザー全てにいずれ降り掛かってくる問題だと言えるのです。
……という事をまとめた記事を書こうと思っていたのですがもう既に素晴らしい記事が上がっていたので紹介いたします。

自分が直面した事態、問題についてもこちらに書かれていることでほぼ間違いがありません。
ですのでもしふぁぼ死に直面した場合は上記エントリを参考にされると良いと思われます。終わり。
というのも何なので多分、恐らく最初にふぁぼ死に直面した一人として当事者の側からこの問題について振り返ってみたいと思います。
あと思いのほか長くなってしまったので、まとめだけ読みたい方向けに最後に140文字でまとめておきました。お急ぎの場合はそちらを参照して頂ければ幸いです。

そもそもの発端

最近ふぁぼ死した人は突然Twitterに繋がらなくなった、という状況が多いようですが自分の場合は違いました。
まずふぁぼ死する2週間くらい前からお気に入りへの登録がスムーズにいかなくなりました。
通常お気に入り登録には☆マークをクリックする→☆マークが光る→登録、という流れがありますが、
☆マークが光ったり光らなくなったり、あるいは光っても登録されていないという状況が続きました。
そして遂にこの☆マークも完全に光らなくなってしまいました。これが2009年4月10日のことです。

@katoyuuのふぁぼりを見ても 2009-04-10 02:56:50 以降ふぁぼりが反映されていない事が分かります。
以前も同じような問題は起こっていたのでまたいつものTwitter側の不具合だろうと楽観的に構えていたのですが、この4月10日以降も不具合が改善される事はありませんでした。
それから一週間ほど経った土曜日の朝、アニメ「極上!!めちゃモテ委員長」の実況を終えて一旦パソコンの前を離れ、再び夜にログインすると全く繋がらなくなっていたのです。

2009年4月18日(土)、このポスト以降発言することが出来なくなり@katoyuuというアカウントはふぁぼ死を迎えたことになります。この時点で@katoyuuのふぁぼ数は168268でした。

出来ないことと出来ること


ふぁぼ死を迎えるとホームの画面( http://twitter.com/home )に繋げても上記のページしか表示されなくなります。
つまりタイムラインは当然ながら流れてこないし、自分から発言するという事もできないわけです
そこで出来ることは無いか、出来ないことは何なのかという事を調べるために色々と試しましたが、これについては原因不明のTwitterアカウントが壊れる現象の一部始終とその対策法まとめでまとめられていたので引用します。
まずは出来ないことから。

◇TL(タイムライン)の閲覧、つぶやきの投稿
http://twitter.com/home
◇@(リプライ)の閲覧
http://twitter.com/replies
◇自分および他人のプロフィールの閲覧
http://twitter.com/(ユーザー名)
◇お気に入りの閲覧
http://twitter.com/(ユーザー名)/favorites
◇作成したリストの閲覧、削除
http://twitter.com/(ユーザー名)/(リスト名)

タイムラインの閲覧・つぶやきの投稿が出来ないのは勿論のこと、リプライもお気に入りも見られません。全てあの“Something is technically wrong.”といった不具合の表示が出てきます。
また他人のプロフィールの閲覧も出来ないので他人のプロフィール画面に飛んでそこからフォロー/リムーブをするという行動も不可能になります。自分のアカウントが壊れたときはまだリスト機能は実装されていなかったので割愛します。
ホーム画面が表示されないのでアカウントが壊れたとフォロワーに訴えることもできず八方ふさがりかと思われましたが、ここである事に気づきます。
あの不具合の表示から飛べるページにある、Twitterユーザー全てのつぶやきが流れているPublic Timelineには繋がったのです。そこで他にも繋がるページがあるかもしれない、と望みをかけURL直打ちで試していきました。
これも対策法まとめからの引用になりますが以下出来ること一覧。

◆設定(ユーザー名の変更、メールアドレスの変更、デザインの変更など)
http://twitter.com/account/settings
http://twitter.com/account/password
http://twitter.com/account/notifications
http://twitter.com/account/picture
http://twitter.com/account/profile_settings
◆フォロワーの管理(フォローの解除、ブロック、スパム報告など)
http://twitter.com/(ユーザー名)/following
http://twitter.com/followers
◆ダイレクトメッセージの受信(閲覧)、送信
http://twitter.com/inbox
◆リストの状態の閲覧
http://twitter.com//lists/memberships
http://twitter.com/(ユーザー名)/lists
◆ヘルプページ
http://jptwitterhelp.blogspot.com/
◆友達を検索
http://twitter.com/invitations/find_on_twitter
◆ログアウト
http://twitter.com/logout

ユーザー名の変更はできるので壊れてしまったアカウントを別の名前にして、新しく作ったアカウントで今まで通りの名前を使うことは出来ます。プロフィールの編集も出来るので今どういった状態なのか周知出来ますし、アイコン、壁紙の変更、ダイレクトメッセージの送受信も問題ありません。
またフォロワーの管理も出来るのでフォロー返しや現在フォローしてる人をリムーブするといった使い方も可能です。
ただし出来ないことで書いたように“他人のプロフィール画面に飛んでそこからフォロー/リムーブをするという行動”が不可能になるので、新しくユーザーをフォローするといった使い方は出来ません。あくまでも“既に自分をフォローしてくれている人へのフォロー返し”のみが可能になります。


最後にクライアントの状況についても記しておきます。
対策法まとめではこう書かれています。

Twitter用のクライアントはタイムライン取得不能というエラーが起こり、利用できないとのこと。
(Tween、Twitで検証)


APIを利用するものはすべて利用不能になるということです。

正しいですが、厳密には違います。自分はTwit、P3、Tween、movatwitterの動作状況を確認しました。確かにいずれもフレンドタイムライン取得エラー等が返ってきてWebと同様タイムラインの閲覧は不可能でしたが、何故かクライアントを介してポストすることは出来たのです。


上記の画像はアカウントが壊れた4月18日以降に投稿されたポスト一覧です。
末尾を見てもらうと分かるように、全てTwitかMovapic(携帯百景)といったサービスから投稿されています。つまりこれらのクライアント、サービスを用いてつぶやくという事は可能です。
ただしこの場合もタイムラインは表示されませんから完全に独り言をつぶやいているという状態になります。

それから自分は検証していませんでしたが、モバイル版であるhttp://m.twitter.com/からだとアカウントが壊れてしまっても、タイムラインの閲覧やつぶやきの投稿等は可能なようです。これは複数のユーザーからも確認がとられています。

この辺の仕組みがいまいち分かりませんがもしふぁぼ死してしまった場合は利用してみるのもいいかと思われます。

問題解決のために行ったこと

Twitterは既に自分の中で日常的に無くてはならないものだったので、つぶやけない、ふぁぼれないといった状況は非常に耐え難いものでした。しばらく時間をおいても事態は好転せず我慢できなくなったので、まず最初に別のメールアドレスから新しいアカウントを作りました。これが4月18日23時18分のことです。
その後またしばらく様子を見ましたがやはり復活の兆しが見えてこないので4月23日、ここでtwitter.jpのサポートへメールを送ります。
しかし……返事が返ってこない。
一週間待って何の音沙汰もないので、同じ内容のメールを再送します。これが4月30日のことです。正直ゴールデンウィークという時期もあり、タイミング的に悪かったけども仕方ないと思いつつ気長に待つ事にしました。
しかし……やっぱり返事が返ってこない。とっくにゴールデンウィークは終了しているのに何も反応がない。
もうこれは駄目だという事で次に本家Twitterのサポートに持ち前のしょぼい英語力を駆使して不具合を訴えました。これが2009年5月8日のことです。
すると5日後、5月13日にサポートから返事がありました。

Hi,


I am sorry about the confusion! The issue you encountered was an issue with our database. The problem has been fixed by our engineers and your profile should behave normally from here on out. Let us know if your account is still experiencing issues.


Sincerely,
Charles
Twitter Support

意訳すると「混乱させてごめんね!その不具合はデータベースの問題でした。問題はエンジニアによって修正されたのでもう元に戻ると思うよ。もしまだ不具合があるならまた知らせてよ!それでは。 ツイッターのチャールズより」という感じでしょうか。
ともかくこれで不具合が直った!と思い喜び勇んでTwitterにログインしました。


直ってない……。
もうここまで来たらとことんです。翌5月14日、まだ不具合が直っていない事をサポートに連絡します。
すると今度は二週間後の5月28日に返事が返ってきました。

Hi katoyuu,


I apologize for the delay in responding to you! I have reported your issue to our engineers. They will address the problem and get your account back as soon as possible. I will email you when the account is normal again. Thank you for your patience!


Sincerely,
Charles
Twitter Support

意訳すると「返事が遅れてすみません!問題はエンジニアに報告しました。できるだけ早くアカウントが復活するよう取り組みます。アカウントが元に戻ったらまたメールしようと思います。ご迷惑おかけします!それでは。 ツイッターのチャールズより」
という感じでしょうか。
しかし再びチャールズからメールが返ってくる事はありませんでした。
にっちもさっちも行かなくなったこの頃にはもうアカウントが元に戻るのを半ば諦めつつ、新しいアカウントの方でフォロワーを徐々に増やしていきました。


結局自分が行った行動は全て問題解決には結びつかなかったことになります。
対策法まとめではtwitter.jpから実際に返ってきた内容が掲載されており、そこには原因が分からないので新しくアカウントを登録する事で対応してもらえないか?とあります。
この文面を見る限りでは、もし仮に自分の時にtwitter.jpから返事があったとしても新しくアカウントを作る以外の対応策が無かったでしょう。そう考えると非常に虚しい気持ちになってしまいますが、これらの行動が少しでもこれを見ている方々の参考になれば幸いです。

ふぁぼ死した方々の叫び

現状でふぁぼ死した人はそれだけ大量にふぁぼっているわけであり、また何かある度につぶやかなければ落ち着かないほどTwitterが日常に溶け込んでいる場合が多いです。
なのでふぁぼ死してアカウントが壊れてしまったからTwitterはもう辞めよう……等と考える人はまずいません。
ある人は新しいアカウントへの告知、ある人は現状把握、ある人は絶望を吐露します。

誰しもがこうなる可能性があるわけなので、やはりふぁぼりすぎには注意した方が良いと云わざるを得ません。
ダメ、ゼッタイ。

アカウントの復活

と、ここまではふぁぼり過ぎるとアカウントが死んで復活できなくなってまた新しいアカウント作ったりサポートに連絡したり一からフォロワー増やしたりするの色々めんどくさいので注意しようという方向で記事を書いていたのですが、事情が変わりました。
きっかけはさまざまなめりっとの記事でした。記事の最後はこう締めくくられています。

この状況を@katoyuuが以前問い合わせたが現時点も直っていなかった・・・はず。

確かにそうだったはず、と思い自分の壊れてしまったアカウントに再びログインしてみました。
するとなんということでしょう。

直っていました。
何故直ったのかいつから直っていたのか、運営に直接訴えたから対応してもらえたのか、今となっては判りません。
しかし少なくとも一度ふぁぼ死してしまったアカウントであっても再び蘇る事はある、という前例は作り出せたのではないかと思います。
なお、復活したアカウントについて検証してみましたがふぁぼ死する前と全く何ら変わりない状態で利用する事が出来ました。ただふぁぼ死以前と以後で一つだけ変わってしまった事があります。



今までふぁぼったお気に入りが全消失しました。どうしてこうなった。
168268あったふぁぼが全消失、復活の対価がこれはちょっと重すぎる気がします。
ですがこれで逆に確信を持てたと思います。やはり不具合の原因はふぁぼり過ぎだ、と。

まとめ

取りあえずまとめだけ読みたい人向けに140文字でまとめておきました。


ふぁぼりまくってふぁぼ数が11万を超えるとふぁぼれなくなりやがてはアカウントが壊れてしまう。現状の対策としてはまずふぁぼり過ぎない、またサブアカウントを作っておきいつでも移行できる措置をとっておくことが望ましい。またアカウントが壊れても復活することがあるのであまり悲観しない事。


ぶっちゃけふぁぼ死してしまうと取れる最善の策は新しくアカウントを作って以前と同じタイムラインを構築していく事しかないと思います。自分のようにアカウントが息を吹き返す、という事もありますが半年も待つのは現実的ではありません。ですので壊れてしまった時は速やかに運営に報告し、復活を待ちつつ別アカウントでつぶやき続けるか、元のアカウントの事はすっぱり諦めて新しくやり直す方法が現状ではベターかと思われます。
過度のふぁぼりはアカウントの状態を害する恐れがあります。ふぁぼり過ぎには注意して健全なTwitterライフを。
【関連】ふぁぼ死の概観とクライアント作者へのごく個人的な提案(追記あり) - びびび新書


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